学会員のワーキングペーパーの |
日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.6 No.9 |
コロナ禍の一般消費者の“うわさ”と購買実態に関する調査結果及び考察 |
-100サンプル×47都道府県の調査結果をもとに- |
柘植 航大 株式会社サーベイリサーチセンター 新規事業開発部 主任研究員 |
発行:2020年05月14日 更新:2020年05月14日 |
分類 : コラム |
要約 : 「うわさ・デマの拡散はSNSが要因」という風潮や,緊急事態宣言下での自粛意識の低い若者が問題視されるような映像・インタビュー,買占め行為の抑制に「うわさ・デマにだまされないで冷静に」というメッセージを発信している報道がみられる。 果たして国民・消費者がそのような報道の通りの認識・行動を行っているのか。 調査結果をみると,若年層の意識は年配層に比べ低いとは言えず,SNSは質的なうわさの拡散力が強いことは否定できないが,量的にはテレビに到底及ばない。さらに,うわさを”信じていない人”も購買意欲が高まっている。消費者に「冷静に」というメディアの呼びかけは,買占めの抑制に寄与しないことが懸念される。 これからは,表層的かつ短絡的に若年層やSNSを問題視せず,自粛・防疫意識を高めるべきターゲットを新たなセグメントで抽出する必要がある。また,「冷静に」という報道も消費者心理を意図しない方向に導く「諸刃の剣」であり,買占めの抑制には新たなメッセージが求められる。 また,報道や企業広報等のコミュニケーションだけではその抑制効果に限界があるため,市場安定化には流通や小売などの供給サイドの対策が不可欠となる。 |
キーワード : 新型コロナウイルス うわさ 若年 SNS メディア |
ページ数 : 表紙1 + 本文10 |
ファイルサイズ : 2506KB |
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