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日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.4 No.10 |
外国への相反した二つの態度が製品の評価や購買意図に及ぼす影響 |
エスノセントリズムの調整要因に着目した経験的研究 |
寺﨑 新一郎 高知大学 人文社会科学部 |
古川 裕康 日本大学 経済学部 |
発行:2018年04月16日 更新:2018年04月16日 |
分類 : 論文 |
要約 : 本稿では、特定の国家に対する肯定的な態度であるアフィニティと、外国への全般的かつ否定的な態度であるエスノセントリズムを、シングル・モデルで扱うことで、これらの相反した態度が製品の評価や購買意図に及ぼす影響を検証する。また、カントリー・バイアスに着目したマーケティング研究では、関連する概念間の交互作用や弁別性について十分に考慮されてこなかった。本研究では、先行研究で中心的に扱われてきたエスノセントリズムと、従属変数との関係を調整する要因についても議論する。上海消費者を対象に収集されたデータを分析した結果、エスノセントリズムとアフィニティは互いに独立した概念であること、エスノセントリズムとアフィニティの間には相殺効果が認められること、アフィニティは購買意図だけでなく、製品判断にも好ましく影響することが示された。また、エスノセントリズムとナショナル・アイデンティティは相まって従属変数にネガティブに影響していた一方、規範的影響はエスノセントリズムをむしろ相殺していた。後者の結果は想定されていなかったが、先行研究からの知見を交えて考察を重ねた。最後に本研究の限界と今後の方向性について提示する。 |
キーワード : カントリー・バイアス エスノセントリズム アフィニティ ナショナル・アイデンティティ 規範的影響 |
ページ数 : 表紙1 + 本文21 |
ファイルサイズ : 852KB |
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