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日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.11 No.14 |
AI時代における広告人材育成の構造転換 |
中流工程の消滅と共に失われる若手社員の修養の場 |
田村 修 株式会社5 CHRO/ 専修大学 非常勤講師 |
発行:2025年07月23日 更新:2025年07月23日 |
分類 : コラム |
要約 : 広告産業は、社会環境の変化と共に広告の枠を超えた事業開発パートナーとしての役割を求められるようになった。同時にAI化の推進により業務変革も進行しており、人材育成は業界として急務である。しかし、スマイルカーブ現象により中流工程の業務が失われれば、若手社員が成長の過程で担うべき業務が減少し、キャリアパスが断絶する恐れがある。 本稿では、企業が本来持つ人材と文化こそが持続的な競争優位性の源泉であるという視座に立ち、AI導入の陰で見過ごされがちなビジネス経験が生む暗黙知に着目をする。 一見すると非効率にみえる業務であっても、若手社員のビジネス力育成や組織文化の継承としての意義を持つ場合、効率重視のAI導入は結果として人材育成を妨げ、組織の競争力を削ぐことになりかねない。本稿では、暗黙知共同の場を意図的に保持・設計し、時間と労力をかけて指導を行うことが、今後の広告業界における持続可能な競争優位の鍵であると提言する。 |
キーワード : AI 暗黙知 人材育成 競争優位性 |
ページ数 : 表紙1 + 本文10 |
ファイルサイズ : 519KB |
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