学会員のワーキングペーパーの |
日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.9 No.9 |
近年のサウナブームの形成要因に関する考察 |
-コミュニティ型マーケティング視点での観察と分析- |
神田 彩 青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 |
発行:2023年03月31日 更新:2023年04月02日 |
分類 : ケース |
要約 : 日本での近年のサウナブームについて、マーケティング観点から整理すれば、①価値創造では、個々のニーズに対応する多様なタイプ・立地のサウナが開発されるとともに、「ととのう」という言葉で体験価値が表現できるようになった。②価値伝達では、マンガなど親しみやすいメディアで発信される一方、顧客の利用体験がSNSで自発的にシェアされ共感が利用を誘発した。③価値提供では多様なタイプの開発が顧客の探求欲を高めたなど、ブームの形成要因が明らかにできる。さらに「コミュニティ型マーケティング」の観点で整理すると、特に顧客が顧客を育てる関係が特徴的であり、顧客からサウナ運営業者になる動きも見出せた。サウナの価値が、施設環境のこだわり、サウナ後の食の楽しみ、地方への関心などへと広がると相まって、関連する企業との連携も増加し、またそうしたセクターのサウナ参入も高まるといった供給側の拡大も活性化要因として説明される。この「サウナブーム」は、消費の多様化・市場の細分化時代において、たぐい稀なマス市場形成の事例であり、一般のマーケティング活動に示唆が多いといえる。 |
キーワード : コミュニティ型マーケティング 製品の階層化概念 顧客が事業主体へ 新しいマスの創造 ブームの形成要因 |
ページ数 : 表紙1 + 本文19 |
ファイルサイズ : 4204KB |
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