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日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.8 No.11 |
ライブコマースによって変容する消費行動 |
中国ライブコマースの成功要因と日本に適用する際の対応策 |
劉 亜菲 株式会社KDDI総合研究所 シンクタンク部門 コアリサーチャー |
発行:2022年05月31日 更新:2022年05月31日 |
分類 : 論文 |
要約 : 本稿はライブコマースによって変容する消費行動を考察し,同サービスが中国で成功を収めた要因および日本に適用する際の対応策を探る。まず,先行研究を踏まえ,中国で先進したライブコマースの特徴と,同サービスがもたらしたマーケティングの構造的変化を考察する。主に,ECサイトが商品中心型からコミュニケーション中心型へと構造変換していることと,価値の伝達と提供が時間的・空間的に融合していることの2点である。次に,これらの構造変化が引き起こした消費行動の変容を考察する。具体的には,「パルス型消費行動」の概念と分析枠組みを援用し,①動因が漠然とした情報収集の拡大,②突発的な購買意思決定の増幅,の2つの論点から展開する。これらの考察を通じて,日本のライブコマースにおける2つの対応策(①エンターテインメント性やコミュニケーション機能の強化,②突発的な購買意思決定を促す直感センサーの補充)を提案し,Webアンケート調査によりその受容性を推察する。最後に,関連する日本の成功事例も参照し, ライブコマースを「消費者と価値の共感や共創ができる場」に作り上げ,買い物の体験価値を最大化にする具体的な施策を示唆する。 |
キーワード : マーケティングの構造的変化 エンターテインメント性 コミュニケーション 動因が漠然とした情報収集 突発的な購買意思決定 |
ページ数 : 表紙1 + 本文21 |
ファイルサイズ : 2785KB |
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