ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.6 |
オーファンドラックの売上高に影響を与える要因 |
湊 宣明 立命館大学大学院 |
新宮 匡洋 同上 |
発行 : 2017年10月12日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : オーファンドラックとは希少疾患に対する医薬品のことである。小野薬品工業のオプジーボは, 希少疾患である悪性黒色腫への適応で上市した後, 希少疾患ではない肺癌への効能拡大に成功し, 売上高を伸ばした。このような効能拡大は, オーファンドラック事業戦略の1つとして先行研究でも指摘されている。しかし, 効能拡大以外の要因について網羅的に事業成功要因を分析した研究は希少である。そこで本研究の目的は, 日本で上市された医療用医薬品を対象として, オーファンドラッグの売上高を増加させる要因を明らかにすることとした。オーファンドラッグ指定状況と2015年度売上高に関するデータを収集し, 重回帰分析を用いて売上高に対する影響を検証した。さらに, 抽出された要因が非オーファンドラッグの売上高に影響があるかを検証した。結果, 組換えDNA技術がオーファンドラッグの売上高を増加させる要因として抽出された。また, 効能拡大はオーファンドラッグのみならず, 非オーファンドラッグの売上高を増加させる要因であることも判明した。オーファンドラッグの事業成功には, 効能拡大だけでなく,組換えDNA技術を利用した薬剤開発も有効であることを示唆している。 |
キーワード : オーファンドラック 市場化戦略 組換えDNA技術 |
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