ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.13 |
推し活における同担拒否心理に関する一考察 |
天野 茉侑 東京工科大学大学院 修士課程 |
森川 美幸 東京工科大学 メディア学部 准教授 |
発行 : |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 近年,日本では3人に1人が「推し」を持ち,「推し」を応援する「推し活」が盛んに行われている。対象となるタレントやコンテンツを提供する企業にとって,「推し活」は物販等の収益が得られるだけでなく,ファンがアンバサダーとなって「推し」を広めてくれるという好循環が生まれている。しかし,ファン同士の不仲により問題が生じる例も少なくない。その要因の一つが,同じ「推し」を持つ人との交流を拒絶する「同担拒否」心理を持つファン(以下拒否派)であると言われる。先行研究では,拒否派はしばしばトラブルの原因となり,また推し活から離脱しやすい特性があると指摘されている。企業側にとっては何らかの対策を講じるべき存在であるが,その心理の実態はいまだ解明されていない。本研究はまず,Xに投稿された同担拒否に関するコメント313件についてテキストマイニングで分析を行った。その結果,同担拒否には「自衛」「独占欲」「苦手」といった理由が存在する一方で,「克服したいもの」と認識されていることが明らかになった。さらに,同担拒否心理を持つ約20名のファンを対象に半構造化インタビューを行い,企業の拒否派に対する対応策を論じる。 |
キーワード : ファンマーケティング 心理的所有感 愛着 共起ネットワーク 半構造化インタビュー |
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