ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.13 |
ワインの味わいを適切に表現する日本語フォントの探索 |
大沼 卓也 近畿大学 産業理工学部 准教授 |
堀内 雄司 近畿大学 産業理工学部 学生 |
深見 嘉明 東京理科大学 経営学部 准教授 |
発行 : 2024年12月17日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 消費者がワインの味わいを適切かつ直感的に把握できるラベルデザインのあり方を探るため,日本語フォントとワインに対する印象およびその対応関係について検証した。日本人の男女168名がWeb調査に参加し,9種類の異なるフォントによって表記された「赤ワイン」という単語の見た目の印象について形容詞対を用いた評価を行なった。加えて有資格のソムリエ6名がワインのテイスティング調査に参加し,3種類の国産赤ワインの味わいの印象について同一の形容詞対を用いた評価を行なった。その結果,明朝体や行書体などウロコがあるフォントは,ゴシック体やポップ体などウロコがないフォントと比べてより洗練された印象であり,また線が太いフォントは力強い印象であった。ワインの味わいの印象も検討したところ辛口で重い味わいのワインは力強く洗練されたフォントの印象と近く,反対に甘口で軽い味わいのワインは優しくてカジュアルなフォントの印象と近かった。この結果から,辛口のワインのラベルにはウロコがあり洗練された印象のフォントを用いるなどラベルデザインを戦略的に設計することで,ワインの味わいの特徴を直感的に把握させることができる可能性が示唆された。 |
キーワード : ワイン フォント デザイン 印象 味わい |
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