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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 
端数効果の神経基盤の検討
大方 翔貴
東北大学大学院 医学系研究科 博士課程
杉浦 元亮
東北大学 加齢医学研究所 教授
発行 : 2023年11月20日
分類:一般報告
報告要旨 :
消費者は大台割れした8で終わる価格(例えば198円)を安いと感じることがわかっており,端数効果として知られている。既存研究において端数効果は,左端の数字の変化による,価格に対する心理的マグニチュードの著しい変化による効果(Left-digit effect)と,価格の右端の数字が「8」である場合は(欧米などにおいては「9」),消費者は低価格であるというイメージを抱くという効果(Image effect)の2つの説明が行われている。本研究では,機能的磁気共鳴画像法を用いて,それらの2つの効果の神経基盤を検討した。実験において,被験者は文房具に対して提示される価格(5価格水準)に対して,どのくらい安いと感じるかを回答した。Left-digit effectに関して,左端の数字の変化によってその商品を安いと感じる人ほど,頭頂小葉(数値の大きさのコード化に関連)の脳活動が低下することが確認された。この結果は,Left-digit effectによる安さの知覚の非合理的な変化は,左端の数字の異なる価格間における大きさの推定幅の個人差として説明することができることを示していると考えられる。
キーワード : 端数効果 価格知覚 fMRI


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