ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
新技術導入に関する調査における対象者の選定 |
-イノベーター理論を用いた配膳ロボットの事例での選定者の策定- |
相原 陸人 明治大学 商学部 学生 |
発行 : 2023年11月20日 |
分類:U24ポスターセッション |
報告要旨 : 革新的技術を商品・サービスに導入するか否かを判断する際,市場調査を実施すると,消費者はその便益の想像が困難なため,適切な回答が得られない懸念がある。例えば,WalkmanやiPhoneの発売前の調査では,消費者は否定的な態度を示した。したがって,新技術に関する調査を担う実務家は,対象者選定を慎重にすべきである。しかし,調査品質向上を目的とする対象者選定に関する既存文献は,不真面目な回答者の除去に議論が集中している。そこで本研究は,レストランにおける配膳ロボットを対象とし,調査品質に影響する対象者条件について,イノベーター理論を用いて以下仮説を導出した;「H1:早期採用者(イノベーター〜アーリーマジョリティ)は,人よりもロボットの配膳に魅力を感じる」「H2:後期採用者(レイトマジョリティ〜ラガード)は,ロボットよりも人に魅力を感じる」。各形式で配膳写真を用意し,オンライン調査でランダム化比較試験を行った結果,H1は支持された。一方,後期採用者は概ね同じ程度での魅力の評価となり,H2は不支持となった。本研究の結果は,新技術導入の意思決定の際,調査対象者を適切に選定しなければ判断を誤るリスクを警鐘している。 |
キーワード : 市場調査 配膳ロボット イノベーター理論 |
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