ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
成長を続けるブランド米に共通するブランド価値に関する研究 |
「山形県産つや姫」と「北海道産ゆめぴりか」を事例に |
勝見 一生 新潟大学大学院自然科学研究科博士前期課程 |
発行 : 2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 日本国内での米の消費量は減少傾向にあるが,作付けされる品種は多様化している。そのため市場での競争は激化し,全国に広まる前に市場から去る品種も少なくない。その一方,「山形県産つや姫」「北海道産ゆめぴりか」のように成長を続けるブランド米もある。 本研究では,この2品種のブランド価値を和田他(2020)のブランド価値構造の概念を用いて明らかにした。具体的には,各品種の3主体(供給主体,消費主体,BIT)に対して質的調査を行い,ブランド価値に関する言葉を抽出した後,それぞれのブランド価値構造,主体間の共通価値,各主体独自の価値を分析した。 本研究の結果,両品種ともその美味しさが高く評価され,各産地を代表する高級米であることが示された。特に,産地名は両品種に共通して3主体の共通価値として高頻度で抽出されたことから,ブランド米にとって重要な意味を持つ可能性が窺えた。また,生産基準・出荷基準が米の品質を向上させ,“美味しい”などの感性価値の実現に貢献している様子が窺えた。一方,感性価値には共通する言葉が多いことから,他の価値区分との関連を持たせた個性化の必要性が窺えるなど課題も示された。 |
キーワード : ブランド価値協創 ブランド価値構造 計量テキスト分析 共通価値 |
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