ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
一般的な「推し」の定義と幸福感に関する調査 |
渡部 佳織 NECソリューションイノベータ株式会社 |
山本 純一 同上 |
菅原 収吾 同上 |
浅沼 爽汰 AKKODiSコンサルティング株式会社 |
発行 : 2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 「推し」ということばは,主にアイドルを熱心に応援するファンが,その応援対象を指して用いたと考えられている。しかし,「推し」の定義や範囲は不明瞭である。さらに,「推し活」と呼ばれる能動的な消費行動の原理は明らかにされていない。そこで本研究では,推しの定義が一般にどのように捉えられているのか,推しがいることが人々にどのような影響をもたらしているのかについて,アンケート調査(男性437人,女性527人,平均44.8歳)を行った。 調査の結果,推し対象はアイドルが最も多かった(181件)。また,推しがいる人の方が,人生満足度が高かった(Δ=0.39)。「推しとはどんな存在か」を示す項目に対し7段階で評価する設問では,「推しのことが好きである(平均5.82)」,「推しを応援したいと思う(平均5.65)」が高い値を示した。自由記述では,「お金をかけている(40件)」という条件も挙げられた。因子分析では,推しの認識と位置づけが,ウェルビーイングに間接的に寄与していた。これらの結果から,回答者は推しを「好きで応援したい対象」であると同時に,お金をかける対象であるとも捉えており,推しは人々の精神的な幸福ニーズを満たす存在であることが示唆された。 |
キーワード : 推し 推し活 ウェルビーイング 人生満足度 消費行動 |
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