ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
eヘルスリテラシーと疾患重症度がもたらすクチコミを含む消費者行動の影響について |
竹内 悠祐 早稲田大学大学院 経営管理研究科 修了生 |
発行 : 2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 本研究はデジタル上の健康情報を正しく解釈できる能力のeヘルスリテラシーと疾患の重症度が、患者の消費行動に与える影響に焦点を充てた。インターネットの発達により、患者は医薬品情報に手軽にアクセスできるようになった。また、患者間のオンライン上での情報共有も進み、医薬品情報の流れは双方向化しつつある。これらの背景から、eヘルスリテラシーの重要性が指摘されるようになったものの、eヘルスリテラシーが患者の医薬品ブランド選択や治療法選択の意思決定にどのような影響を与えるのかは明らかにされていない。また、疾患重症度ごとの治療プロセスへの関与の差異も不明瞭である。本研究の結果、高いeヘルスリテラシーを持つ患者は疾患の重症度に左右されず、医薬品選択や治療方針の意思決定に積極的に関与していることが明らかとなった。また、こうした患者は対人やオンライン上での情報収集と発信に積極的で、インフルエンサーの側面を有することも明らかとなった。これらの結果は、eヘルスリテラシーの高い患者の新たな消費者行動の一端を明らかにするもので、新たな消費行動に即したヘルスケア企業のサービス提供の必要性を示唆するものと考える。 |
キーワード : eヘルスリテラシー 疾患重症度 消費行動 |
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