ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.11 |
芸術支援による相互波及効果と消費者関与の関係 |
薗部 靖史 東洋大学 社会学部 教授 |
川北 眞紀子 南山大学 経営学部 教授 |
発行 : 2022年11月11日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 芸術に携わる人・作品・組織に向けて長期的支援を行う企業は数多く存在する。芸術を含む文化階層はハイブラウとローブラウに分けられる。前者は高尚とみなされ,非営利組織が運営し,後者は商業的で営利組織が運営する。マーケティングでは,娯楽性の高いローブラウへの支援は,社会貢献活動としてというよりも,スポンサーシップの一環として扱われやすく,支援を受ける側が支援企業を批判するケースは少ない。 しかし,ハイブラウに関しては,企業が支援する芸術をマーケティングに活用すれば,芸術組織が支援企業に対して非難することさえある。企業や芸術組織が芸術支援をマーケティングで活用することはそれほど悪いことなのか。この疑問への答えを見つけるべく,本研究の目的は芸術へのスポンサーシップを通じて,支援企業や芸術組織にもたらされる消費者の知覚上の効果に関するメカニズムを明らかにすることとする。具体的には,消費者の知覚において,企業と芸術組織が有するプレステージが,両者への態度に向けて相互に波及する効果を捉え,支援企業の製品カテゴリーと芸術それぞれへの関与を含むフレームワークを提起する。 |
キーワード : 芸術支援 相互波及効果 知覚プレステージ 態度 関与 |
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