ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.11 |
ブランドCFに登場する自己投影体験がブランドリレーションシップに与える効果 |
森岡 美沙子 花王株式会社 感覚科学研究所 |
吉川 敬一 同上 |
逆井 充好 同上 |
発行 : 2022年11月11日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 本研究は,生活者が深い愛着を抱いた時に生じると言われる自己拡張状態に着目し,ブランドが自己拡張領域に既に存在しているかのような錯覚体験によって,長期的な関係構築がなくとも,ブランドへの愛着が形成できないか,といった試みを検証するものである。 一般的なマーケティングツールとして作成されたブランド映像の中に,体験者を登場させる自己投影体験をデザインし,体験効果を検証した。検証には,撮影~体験まで一連で体験可能な体験システムを作成し,試験に用いた。 本研究にて提案する自己投影体験は,香りの有無にかかわらず,オリジナルのブランド映像視聴時と比較して,瞳孔径の拡張が確認され,興味喚起性の高い体験であるとともに,本研究の狙いである自己拡張に関連する感覚を高めることが示唆された。同時に、自己拡張感以外の多岐にわたるブランドリレーションシップの向上も確認され,購買関連行動・拡散欲求が誘起された。 これらのことから,長期的,多段階的な関係形成を経ることなく,ブランドと生活者とのつながりを強化することができる,効果的なマーケティングツールおよび手法としての有用性が期待される。 |
キーワード : ブランドリレーションシップ 愛着形成 自己拡張 自己投影 体験型マーケティングコンテンツ |
>一覧