ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.10 |
区分線形近似モデルを用いた売上トレンド分析 |
中山 雅仁 鳥取大学大学院 持続性社会創生科学研究科 |
森山 卓 鳥取大学大学院工学研究科 助教 |
桑野 将司 鳥取大学大学院工学研究科 教授 |
発行 : 2021年10月29日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 情報通信技術の進展によって,分析に使用できるデータは長期間化している。データの傾向を把握する際に用いられる手法として,トレンド分析があるが,トレンドに構造変化が含まれるとき,全期間のデータを用いる場合と直近のデータを用いる場合では,得られる結果が異なる。そのため,分析に使用するデータ期間を適切に決める方法論が要求される。 本研究では,構造変化を考慮したトレンドを抽出する区分線形近似モデルを提案する。区分線形近似モデルを時系列データに適用することで,複数の構造変化点とそれによって区分された期間のトレンドを同時に推定できる。なお,モデルに含まれる構造変化点とトレンドの推定には,赤池情報量基準を用いる。 ある小売業者が長期間販売している商品に提案モデルを適用した結果,ほとんどの商品の売上時系列データで構造変化点が1個以上検出された。つまり,それらの商品はデータ期間において少なくとも一度は売上傾向が変化していたといえる。分析結果から得られた直近の構造変化が発生したタイミングとトレンドに,商品の原価率を組み合わせることによって,マーケティング戦略を考える上で有用な知見を得られることを示した。 |
キーワード : 構造変化 時系列分析 POSデータ 区分線形近似 マーケティング |
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