ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.5 |
ブランド化における文脈再構成及びコミュニティ形成過程 |
伝統・地場産業の中小企業事例から |
安居院 徹 |
発行 : 2016年10月12日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 本研究では、伝統・地場産業の衰退脱却へブランド化が果たす役割に注目した。コンテクスト・ブランディング及びブランド・コミュニティ分野の先行研究を基に一部概念を拡張し、ブランド化過程の仮説モデルを構築。その上で事例研究として、①国産アパレルブランド立上げ、②漆器ブランド活性化、③老舗海苔店の日本茶へのブランド拡張という、中小企業の三例を取り上げた。 主な発見事項・理論的示唆は次の通り。①ブランド価値提案を伝統・地場の文脈から消費者に伝わる文脈へ再構成するには、顧客を刺激する提案の差別性やビジョンの大きさ、裏づけの強さ、継続的な顧客とのギャップ適応力を含む、「文脈訴求力」が重要となること。②顧客やステークホルダーとの相互作用の質の高さや共感の広がりが、彼らを価値提案の文脈に巻込み、ブランド・コミュニティ形成や共創を促す「文脈動員力」となること。③文脈視点のブランド化は、文脈訴求力×動員力のマトリクス上で「再構成」「深化・拡大」「自己組織化」の発展過程を辿ること。④ブランディングに係る二分野の知見を統合する試みとなる本仮説モデルが、事例研究を通じ一定の妥当性を有することが検証できたこと。 |
キーワード : 伝統・地場産業 文脈視点 ブランド・コミュニティ |
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