ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.10 |
なぜ人は死してなお自己を残そうとするのか |
ジェネラティビティ,大衆性,死生観,死の顕現性を規定要因とする検討 |
水師 裕 武蔵野美術大学 |
高橋 望 株式会社cocoroé |
上阪 崇幸 トッパン・フォームズ株式会社 |
発行 : 2021年10月29日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 我が国は多死社会を迎えている。こうした中,終活という言葉に代表されるように,ライフエンディングに向けた消費に今後ますます注目が集まるものと考えられる。それだけでなく,COVID-19のパンデミックによって,他者の死を直接・間接的に経験する人々が増加することで,死と消費の関連を検討することの重要性が高まっている。本研究の目的は,人生の価値,知識,価値観,社会貢献の意味文脈において,後世に自己を残す消費の心理的な規定要因について検討することにある。死と消費に関わる消費者行動の研究分野では,死の顕現性が消費者の物質主義的・利己的な傾向を強めることが指摘されている。その一方,恐怖管理理論に基づく見解では,利他的な消費が文化的な世界観を満たし自尊心を高める手段となりうることも示唆されている。本研究では,こうした利己/利他の両側面の意味を主に心理学者エリク・ホーンブルガー・エリクソンと哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットの議論に依拠にしながら吟味し,後世に自己を残す消費の規定要因として「ジェネラティビティ」「大衆性」「死生観」「死の顕現性」の4つの概念を取り上げ実証的な分析を行なった。 |
キーワード : エリク・ホーンブルガー・エリクソン ホセ・オルテガ・イ・ガセット ライフエンディング レガシー・プランニング 終活 |
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