ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 |
自動車におけるブランド価値とプライシングの関係性:なぜトヨタが市場の価格を決めるのか? |
自動車メーカーの生き残りを実現するためのプライシング案検討 |
伊藤 隆明 早稲田大学大学院経営管理研究科 |
発行 : 2020年12月16日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 長きに渡って日本経済を牽引してきた自動車市場は,近年需要のピークアウトによる販売減・環境規制等の対応によるコスト増により,非常に先行きが厳しい状況下にある。 日本は中規模以上の乗用車メーカーを国内に7社も抱える世界的にも稀有な国であり,現在も北米・中国を始めとした世界中で高い競争力を有しているが,上述した環境変化もあり,これまでと同様の経営を行うことが難しくなっている。 その原因の一つに自動車のプライシングの硬直性があると考え,現在のメーカーが自社の利益率を改善させるようなプライシングができていない理由を分析する。具体的には価格の構成要素をPSM分析・コンジョイント分析等を用いて分解し,業界トップのトヨタ自動車とのブランド価値の差の測定,およびその他の価格差要因について分析・検証し,抜粋した各自動車メーカーの代表車種に関して,売上増加を目的としたあるべきプライシングを提示する。 本研究の大きな目的は二点あり,一点は自動車メーカーにおける現時点のブランド価値の可視化・測定,もう一点は自動車メーカーの経営戦略をプライシングから再考し,業界を縮小均衡から再発展へ回復する方策を検討することである。 |
キーワード : 自動車 プライシング ブランド・エクイティ PSM分析 コンジョイント分析 |
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