ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 |
グローバル企業はいかに予測せぬ消費者の不買運動に立ち向かうのか |
日韓関係による不買運動の功罪 |
厳 秀延 立命館大学 経営学研究科 前期博士課程 |
金昌柱 立命館大学 経営学部 教授 |
発行 : 2020年12月16日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 2019年7月頃から1年が経った今まで韓国では、日韓関係における歴史・政治・経済などを巡る認識のズレから触発された消費者の不買運動が行われている。今回のボイコットの影響により、韓国に進出した日本企業の中では、売上が急激に減少した企業もあり、さらに撤退の状況まで財政が悪化した企業も報告されている。他方で、ボイコットの悪影響を受けるところが、むしろ好調な成長を示す企業もある。 上記の背景を出発点として本研究の目的は、計画的行動理論に基づき、抗議の意を表す手段としての消費者のボイコットがどのように形成されるのかを明らかにする。また、企業の対応戦略によって消費者のボイコットへの意図や行動がどう変わるのかという問題も併せて考察するものである。 日韓の消費者500名を対象とする質問票調査に基づくと、第1に、韓日関係による不買運動は周りの視線をより意識する主観的規範が原因で、日本にくらべて韓国の消費者のほうがより影響を受けやすくなる。第2に、こうした製品ボイコットに対する企業の対応として相手国における社会的貢献度、ブランド力、オンライン・ストアの販売力を高めることが重要と考えられる。 |
キーワード : 不買運動 計画的行動理論 企業の出口戦略 日韓関係 |
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