ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 |
中小企業によるアジリティ重視の社会貢献ブランド |
ナチュラル&オーガニックブランド「ラコルベイユ」がめざす社会貢献活動の継続性 |
和田 恵 井関産業株式会社ラコルベイユ事業部部長 |
藥袋 貴久 昭和女子大学グローバルビジネス学部准教授 |
坂梨 カズ 株式会社アントワーヌ代表取締役 |
発行 : 2020年12月16日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : SDGsの浸透と共に、中小企業においても何らかの社会的課題の解決を志向した事業創造を通じて、自社の存在意義を再確認し、企業としての存続基盤を獲得しようとする行動様式への関心が高まっている。本業に寄り添う展開を示唆するCSVに可能性を見出す一方、社会性と経済性の両立の成否について、企業の負担可能な費用の範囲に留まるか、企業の裁量の範囲に帰するかといった限界をめぐる伝統的議論を踏まえると、後発・追随として市場競争を戦い、経営資源配分に余力を欠く中小企業にとっては、想いとは裏腹に、公益と私益の連結を意図した事業の継続性に困難さを認める向きも多い。 本報告では、資材卸を本業とする中小企業において、数名の女性社員が立ち上げた、カンボジアの女性達の生活支援に貢献するナチュラル&オーガニックブランド「ラコルベイユ」を紹介する。当ブランドは、①社会貢献の事実を価格設定の理由にしない(市場で競争し社会貢献で競争しない)、②顧客は社会貢献の事実を事後的に知る、③特定の商品カテゴリや流通に縛られない等の特徴を有しており、アジリティを重視することによって実質的な社会貢献の継続性を担保しようとしている。 |
キーワード : SDGs 継続性 アジリティ 中小企業 ラコルベイユ |
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