ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 |
百貨店個人営業顧客のコミットメントに関する研究 |
カード特典や豪華なラウンジで ライフタイムバリューは高まるのか? |
鈴木 一正 お得意様育成事務所スズセイ 代表 |
発行 : 2020年12月16日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 本研究は百貨店の最上位顧客である個人営業のコミットメントに関する研究である。 個人営業顧客にとってカード特典や専用ラウンジといった制度環境的な施策がコミットメントを高め,業績向上に有効に機能しているのか否かを実証的に明らかにすることにある。 デプス・インタビューの結果,関係継続や他者推奨には「担当者との良好な関係」が重要な役割を果たしていることが明らかになった。この結果を踏まえ,リレーションシップ・マーケティングの概念モデルとして久保田進彦(2006)が示した「多次元コミットメントモデル」を基本とし,損得勘定に関わる変数を「制度環境的コミットメント」と「担当者による経済的コミットメント」に分割し,共感や一体感に関わる「感情的コミットメント」とともに中心的媒介変数として関係継続や他者推奨意向を結果要素とする共分散構造分析を実施した。 その結果,「制度環境的コミットメント」が結果要素に与える影響は相対的に小さく,人的サービス施策が重要であることが明らかになった。人件費圧縮を図り,人手を掛けないサービスに傾斜しようとする業界への警鐘とも言える。 |
キーワード : 百貨店 コミットメント ライフタイムバリュー |
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