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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.7 
経営現象の因果関係を探る新たな方法論:fsQCA
fsQCA(質的比較分析)を用いたスーパーの顧客満足の規定要因の研究
横山 斉理
法政大学 経営学部 教授
発行 : 2018年10月08日
分類:一般報告
報告要旨 :
 本研究では,近年トップジャーナルでも採用されることが増えてきた質的比較分析(fsQCA:fuzzy set Qualitative Comparative Analysis)を用いて食品スーパーの顧客満足の規定要因を分析することで,この分析方法の有用性を議論する。分析の結果,顧客満足に影響を与える要因が明らかになったが,それは従来の統計的因果分析とは異なる結果であった。
 この研究の背景には,経営現象の定量分析において,明らかにしたい課題と方法が合致していない研究が散見される,という問題意識がある。
 たとえば,マーケティング・ミックスとその成果の関係を考えてみよう。従来の統計的因果分析では, 4P(製品、価格、流通、プロモーション)はそれぞれ独立して結果に影響を与えると仮定しているが(Y=a+β1X1+β2X2+β3X3+β4X4+e),実際には,4Pの組み合わせ方それ自体が結果に影響している。このように,独立した要因(独立変数)を加算することで結果(従属変数)が得られるという想定自体が成り立たない場合には,fsQCAは有用である。それ以外にもQCAが有用な場合をポスター内で紹介する。
キーワード : fsQCA 統計的因果分析 因果非対称性 確立済みの統計手法とfsQCAの違い


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