ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.5 |
快楽価値と機能価値は脳では共通しているのか? |
脳機能イメージングによる検証 |
元木 康介 |
杉浦 元亮 東北大学加齢医学研究所脳機能開発研究分野 教授 |
川島 隆太 東北大学加齢医学研究所応用脳科学研究分野 教授 |
発行 : 2016年10月12日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 購買行動は, 快楽価値と機能価値に基づいて行われる。快楽価値とは, 喜びや興奮等の感情を伴う価値である。一方で, 機能価値とは役に立つことや実利性に基づいた価値である。消費者行動研究では, 快楽価値と機能価値は異なる価値次元であると捉えてきた。一方で, 神経科学では, 様々な経済価値は共通した脳部位で処理されていると考えてきた。 本研究ではfMRI(脳機能イメージング)を用いて, 快楽/機能価値が共通した脳部位にあるかどうかを, 意識的な(商品を買う際に働く)価値と非意識的な(ただ商品を見ている時に働く)価値を区別して検討した。 快楽/機能価値尺度に基づき, 快楽財としてコミック, 機能財として実用書を事前に選定した。被験者は, MRIの中で, 快楽財/機能財に支払いたい金額を回答した(意識的条件)。また, 同じ商品を見て知覚課題を行った(非意識的条件)。 結果として, 意識的には, 快楽価値と機能価値は共通した脳部位で処理されていた。一方で, 非意識的には, 快楽価値の脳部位のみ同定できた。本研究では、快楽価値と機能価値は共通した神経基盤に支えられていること, 非意識的な状況では快楽価値のみ脳内で表象されることを示した。 |
キーワード : 消費者神経科学 ニューロマーケティング 快楽価値/機能価値 意識/非意識 |
>一覧