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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.6 |
市場カテゴリーのラベルの意味拡張 |
集合体としての「渋谷系」 |
朝岡 孝平 一橋大学大学院 商学研究科 博士後期課程 |
発行:2017年10月12日 |
分類:博士単独報告 |
掲載形態:報告概要 |
要約 : 本論文では,市場カテゴリーを指し示す言葉(カテゴリーラベル)の意味が,どのようにして拡張してしまうのか,という問題を扱う。具体的には,「渋谷系」という,従来は音楽のカテゴリーを示していた言葉が,後に様々な領域で使用されるようになるというプロセスについて事例研究を通じて検討する。そのための理論的枠組みとして,近年消費文化理論の領域で議論されている「集合体」の概念を用いる。集合体理論では,ブランドや市場を,異質な構成要素で構成される集合体として捉え,その構成要素間の相互作用によりダイナミックに変化するものとして考える。雑誌記事やインタビューデータの定性的分析により,渋谷系は,メディアにおける言葉の使用の異種混淆性,街の異種混淆性,渋谷系音楽の生産者や消費者の異種混淆性という3つの異種混淆性を含む集合体であることが明らかにした。これらの要素の相互的な影響により,渋谷系はその意味する対象を音楽以外の領域に拡張することになったのである。 |
謝辞 : |
キーワード : 市場ダイナミクス 言葉 消費文化理論 音楽 |
ページ : pp.410-412 |
ファイルサイズ : 284KB |
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