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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.6 |
ドラッグ・リポジショニングにおける価値の再定義 |
冨田 健司 同志社大学 商学部 教授 |
発行:2017年10月12日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 新薬開発は長期の期間と多額の資金を要するにも関わらず,成功確率はきわめて低く,特に近年,新薬の創出は困難になっている。そうしたなか,ノーベルファーマ社は毎年,コンスタントに新薬を発売しているため,本研究ではその新薬開発行動に目を向けた。すると,従来の開発方法とは異なるドラッグ・リポジショニング戦略をとっていることが分かった。この戦略の利点として「開発コストの大幅な削減」,「開発期間の短縮化」,「成功確率のアップ」,そして「継続的な成功体験の蓄積が組織にもたらす効果」といった4点を指摘することができる。 このドラッグ・リポジショニングをオープン・イノベーションの枠組みで考えると,ライセンス・イン(導入)の形態となるが,これまで製薬産業で行われている形態とは異なる。これは既に上市済みの薬から,新しい効能を見つけ出し,別の薬として販売することなのである。他社で使用中の物質特許を使用するが,同じ形で販売するのではなく,価値の再定義を行うこととなる。薬のような知識商品の場合,累積性と状況依存性といった性質が知識にはあるので,価値の再定義を行いやすい。 |
謝辞 : |
キーワード : 新薬開発 オープン・イノベーション 知識商品 |
ページ : pp.108-119 |
ファイルサイズ : 1,610KB |
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