オーラルセッション

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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 
消費動態としての文化資本,その主観的幸福度獲得への貢献
ブルデューの文化資本論を読み解く,ひな祭り・端午の節句祝いの意義
森 泰規
株式会社 博報堂 ディレクター
発行:2023年11月20日
分類:一般報告
掲載形態:フルペーパー
要約 :
社会学者ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu,1930-2002,仏)は文化資本を「何らかのメリットを回収するため金銭・時間を投資して得られた文化的素養」(Bourdieu, P., 1979 = 1990)のこと,すなわち一定の消費動態を前提にしたものとした。またブルデューは文化資本が経済資本とある程度独立であり,ときに経済資本の不足を補うとも考えていたことが後続研究者の指摘により知られる(Jenkins, R. 2013)。本稿ではブルデューが本来意図した文化資本論が日本の生活者の消費動態にも適用できるかを考えるため,入手にあたり多額の資金を要しない文化資本としてわかりやすい消費動態を伴う「ひな祭り・端午の節句」を取り上げ,それが主観的幸福度の達成という形で回収されるかを考察した。民間企業が実施する東阪の生活者調査『生活定点』を活用して回帰分析および信頼区間を検討したところ,経済資本に差があっても,その差によらずこれら文化資本がある程度主観的幸福度の要因となることを説明でき,これによりブルデューの文化資本論が日本の生活者の消費動態にも条件付きで適用できることを示した。
キーワード : 文化資本 主観的幸福度(ウェルビーイング) コト消費
ページ : pp.126-132
ファイルサイズ : 712KB


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