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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
「寿司とはヨーロッパのサンドイッチの日本版である」 |
米国における日本食の普及においてゲートキーパーが果たした役割 |
松井 剛 一橋大学 経営管理研究科 教授 |
発行:2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:要約 |
要約 : 本論文は,米国における日本食の普及において,馴染みのない外国料理の魅力を伝えるために展開されたマーケティング努力を分析する。分析では,「文化製品」の普及を促す「ゲートキーパー」についての研究蓄積がある文化社会学の理論枠組みを用いる。現地調査では,日本食レストランや日本食品メーカーなどゲートキーパーに147件のインタビューを実施した。彼らの役割は3類型に分けられる。第一の「探索と選択」は,現地消費者に受け入れられる文化製品を適切にスクリーニングすることである(例:1963年に鉄板焼レストランBenihanaを開業したロッキー青木は,当時の米国人に好まれなかった魚の代わりに鶏肉や豚肉やエビを材料として用いた)。第二の「共同制作」は,現地消費者のニーズに適応した新たな文化製品を創造することである(例:生魚を使わず海苔を裏巻きにしたカリフォルニアロール)。第三の「テイストメイキング」は,異国から来た文化製品の捉え方や楽しみ方を現地消費者の知覚や経験に寄り添って教育することである(例:1946年出版の日本料理パンフレットは「寿司とはヨーロッパのサンドイッチの日本版である」と説明した)。 |
キーワード : 日本食 米国 文化製品 ゲートキーパー 文化社会学 |
ページ : p.250 |
ファイルサイズ : 126KB |
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