オーラルセッションの要旨・フルペーパー(報告概要)の閲覧・ダウンロードが可能です。 |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
エシカル消費における態度−行動の乖離メカニズムとエシカル要因を価値に転換するコンセプトの検討 |
加藤 拓巳 明治大学 商学部 専任講師 |
潮崎 真惟子 フェアトレードラベルジャパン 事務局長 |
伊熊 結衣 日本電気株式会社 主任 |
池田 亮介 日本電気株式会社 主任 |
小泉 昌紀 日本電気株式会社 シニアエキスパート |
発行:2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 消費者はエシカル商品の積極的な採用を表明しながら,実際にその行動をすることは稀である。態度−行動の乖離の理由は,調査では社会的望ましさバイアスによって肯定的な態度,実環境では便益の曖昧さによって否定的な行動を引き起こしていることが考えられる。この乖離を解消するために,商品の主要要因を網羅して評価する必要があるが,既存文献はエシカル要因のみに限定している。本研究は,日本のコーヒー市場を対象とした2つの調査によりこの知見を補完する。Study 1は,ロイヤルティ要因を共分散構造分析で検証した結果,ブランド,商品品質,販売チャネルは正の効果だが,エシカル要因のみ負の効果が検出された。つまり,調査でも社会的望ましさバイアスを受けない回答を得られている。ただし,この結果は社会問題解決を訴える市場のエシカルコーヒーが対象である。そこで,エシカル要因を価値として認識されるための実証を行った。Study 2は,ランダム化比較試験により,貧困問題を訴求するよりも,農園の労働条件の良さがもたらす品質を訴求するコンセプトの方が魅力が高まることを示した。 |
キーワード : エシカルコーヒー 社会問題 社会的望ましさバイアス |
ページ : pp.95 |
ファイルサイズ : 127KB |
>一覧