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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.10 |
いけばなの顧客価値提案の進化 |
池坊と草月流におけるイノベーションと共感の視点から |
相島 淑美 神戸学院大学経営学部准教授 |
佐藤 善信 関西学院大学大学院経営戦略研究科教授 |
発行:2021年10月29日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : コロナ禍はいけばな業界にとって深刻な危機をもたらしたが,その一方で,流派が顧客価値提案を見直し,イノベーションを実現する好機ともなった。本研究では,いけばなの最大手であり伝統を重視する池坊および自由と独創性を重んじる草月流が,それぞれコロナ禍を契機としてどのようにパラダイム転換を図ったかを価値提案の視点から明らかにする。本研究の結果,以下のことが明らかになった。第1に,危機的状況にあって池坊と草月流が実現したパラダイムシフトはいずれも組織内に改革の素地があった。第2に,新たな取り組みにおいて,池坊と草月流は顧客提案価値をそれぞれ〈型重視の仏前供花から癒してくれるくらしの花へ〉,〈伝統に挑戦する独創の精神から悲しみに寄り添う花へ〉と進化させた。いけばな本来に備わっているセルフ・コンパッション的性格が強化されたといえる。第3に,池坊のイノベーションは,ブリコラージュとエフェクチュエーションを同時に発生させた成果である。草月流はブリコラージュ的体質からパーパスの再定義によって革新的事業につながった。いずれも花き業界との関係性が関連している。 |
謝辞 : |
キーワード : おもてなし 共感 茶の湯 ブリコラージュ エフェクチュエーション |
ページ : pp.329-336 |
ファイルサイズ : 747KB |
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