ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 |
文化人類学で紐解くビッグデータ |
行動ログのフィールドワークによる「独身男性化するシニア」の発見 |
大川内 直子 株式会社アイデアファンド 代表取締役 |
発行 : 2020年12月16日 |
分類:一般報告 |
報告要旨 : ビッグデータの活用にあたっては数学的・統計学的アプローチが主流だが、本研究においては文化人類学のフィールドワークを応用した新たな方法論を探求し、その適用によって得られたインサイトを報告する。 文化人類学における質的データの収集は通常、同時性・同所性を前提とするフィールドワークを通じて行われる。一方で本研究においては、消費者の膨大な行動ログをフィールドに見立てることで、ビッグデータ上での人類学的フィールドワークを試みた。 用いたデータは消費者の属性データ・購買履歴データ・メディア接触履歴データの3種類である。これらのデータ1年分に対して、文化人類学者が1年間対象者と共に生活しながらその生活様式や価値観を紐解いていくのと同じ要領でフィールドワークを行った。 その結果、従来のシニア像とは乖離した生活を送る人々−我々が「独身男性化するシニア」と呼ぶ人々−の存在が浮かび上がってきた。彼らは、ネットリテラシーやポイント感応度が高く(ポイント還元率に応じた決済サービス等の使い分け)、趣味を優先して夜更かしをしたり料理をせずに軽食(菓子パンなど)で済ませたりするといった特徴をもつ新しいシニア層である。 |
キーワード : フィールドワーク ビッグデータ 文化人類学 シニア 質的調査 |
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